テレビ会議の効果
立証する証拠が不充分だとの意見に、カレンダーは的確に答えることができなかったので、当時の専門家から支持されませんでした。
その後しばらくして、赤外線そのものの研究が物理化学の分野で急速に進歩して、水蒸気や二酸化炭素が赤外線をどのように吸収するかが室内実験によって明らかになり、地球の気候に対する二酸化炭素の影響を詳しく調べる手掛かりが得られました。
1945年に第2次世界大戦が終わり、戦後の復興とともに工業活動が盛んになって、今まで以上に大量の石炭や石油が燃焼されるようになりました。
これにともなって大気中の二酸化炭素が増加することを予測して、その影響を計算したのは米国のジョン.ホプキンス大学の気プラスの研究は、発表当初、専門家からあまり注目されませんでした。
逆に多くの関心を集めたのは地球寒冷化説でした。
第2次世界大戦後の復興期には、ョ−ロッパ.北米.東アジアの工業地帯の空気中に、酸化硫黄や酸化窒素などが汚染の微粒子とともに著しく増え、局地的な大気汚染がますます深刻化きました。
その場所に生活している人間の健康を害するので、公害問題として注象学者ギルバート.プラスです。
二酸化炭素の赤外線吸収に関する最新の研究成果を参考にして、プラスは1956年に、「大気中の二酸化炭素が増えて2倍になると、地球は約4℃の温暖化に見舞われる」という結果を発表して、9世紀末のアレニュースの学説を復活させたのです。
煙の粒子など、空気中に浮遊している固体や液体の10ミクロン以下の微粒子を、「エアロゾル」と呼んでいます。
エアロゾルは、日射を余分に反射させるので地球の吸収する日射量を減らすように作用し、その結果、地球の吸収する熱を少なくします。
大気汚染により生じたエァロゾルが地球を寒冷化する可能性を、米国の学者が指摘しました。
しかも、9世紀末から少しずつ上昇してきた地球全体の気温が、第2次世界大戦前後の1940年代を頂点にして下降しつつあることが、観測データから分かったのです。
その結果、米国や日本の一部の気象学者が地球寒冷化説を唱えました。
昭和5年ころには、『氷河期が来る』という表題の本が、日本のベストセラーのリストに名を連ねたりしました。
この地球寒冷化説は、間もなく二酸化炭素の増加による地球温暖化説に圧倒されてしまいました。
1960年代になって、大気中の二酸化炭素が実際に年々0.5%近い割合で着実に増加していることが明らかになりました。
1957年の国際地球観測年から始められたハワイ島での本格的な二酸化炭素観測によるもので、この観測結果が米国のゴア副大統領の目を地球環境問題に向けたのでした。
このような二酸化炭素の増加を引き起こしているのは、人間が石炭や石油を多量に燃やしていることだ、とする考えが定着しました。
1方、1946年に米国で発明されたコンピュータは、その後、急速に進歩して科学技術の広い範囲で利用され始めました。
1960年代から、コンピュータが地球の気候変化の研究に利用され始めて、複雑な計算も正確な結果を得られるようになりました。
大気中の二酸化炭素が増加して2倍になると地球温暖化は約3℃に達するという計算結果を、ごく小さい計算誤差で得られるようになりました。
コンピュータを用いた温暖化の研究は、「二酸化炭素の増加にともなって地球が温暖化する現象は、物理の法則に従って進行する」ことを前提としています。
この物理法則を表現した式をコンピュータで答を計算して、温暖化を予測する方式は、非常に合理的なものです。
地球の変化が、日食などの天体の運行のように、原因と結果との間の関係が単純.明快であれば、この温暖化予測は非常に信頼できるものであるはずです。
実際の気候は、原因が少しずれただけでも結果が大きく異なる、という複雑な現象なのです。
この複雑さの引き起こす問題点については、後ほど詳しく説明しますが、その前に、温暖化の基本的な過程を考えることにします。
地球の温度は熱の出入りに左右されています。
地球の受け取る熱が、放出している熱よりも多い場合には、熱が溜まるので温度が高くなります。
地球全体としての熱の出入りが釣り合って、地球全体として見た場合、地表面に与えられる熱量のうち、最大のものは太陽からの放射、すなわち日射です。
日射に照らされている昼半球と照らされていない夜半球を含めて地球全体で平均すると、1分間に1平方センチの水平面に対して、約0.5カロリーの熱が地球にふりそそいでいます。
1日の問に地球にふりそそぐ日射の熱量は、約4兆億トンの石油を燃やしたときに出る熱と同じくらいです。
最近の世界全体で1日の間に燃やしている化石燃料は、全部が石油だと仮定すると約2000万トンとなりますが、これと比較しても、日射の熱量は非常にばく大なもの日射に次いで多くの熱を地表面に与えているのは「地熱」です。
しゃく熱の溶岩や沸騰する温泉から分かるように、活動している火山や温泉地帯では局所的に多くの量の熱が噴出していますが、地球全体として見ると、日射の約5千分の1に過ぎません。
地熱の次に大気に多くの熱を与えているものは、石炭や石油などの化石燃料の燃焼ですが、地球全体では日射の約2万分の1です。
従って、地球全体の熱の収支を考える場合には、地熱や化石燃料の燃焼熱は無視ている場合には、地球の温度が1定に保たれています。
現在の地球の熱収支はほぼ釣り合っていますから、地球全体の平均表面温度が約15℃に保たれていて、金星のような500℃以上「しゃく熱地獄」でもなく、また、火星のような氷点下30℃の「氷の世界」にもならずにできますから地球に与えられる熱としては日射のみを考えるだけで充分です。
地球に降りそそぐ日射の全部が、地球に吸収されるのではありません。
吸収されるのは地球に降りそそぐ日射の約70%だけです。
残りの日射は、雲などで反射して地球に吸収されることなく宇宙へもどってしまうのです。
昼間の地球を写した気象衛星の写真で雲が白く見えるのは、雲の表面で反射して宇宙へもどる日射が、気象衛星のカメラに写されているからです。
このように、地球は降りそそぐ日射の約70%を熱として吸収しています。
もしも、地球がこの熱をもらうだけで熱を放出しないと仮定しますと、地球には熱が溜まる1方ですから、地球の温度は1方的に高くなり続けることになります。
実際には、地球は「赤外線」を宇宙へ放出しています。
その熱量は地球が吸収する日射量と同じですから、放出熱と吸収熱の差引きはゼロとなり、地球全体として熱の出入りはありません。
その結果、現在の地球では温和な気候が維持されているのです。
太陽から地球へ熱を運んでいる日射や、地球が宇宙へ熱を放出している赤外線は、「放射」と呼ばれる現象です。
放射は電磁気の波で、光も放射の一部です。
放射は、電気をよく伝える銅や鉄などの物質の中では伝わりませんが、真空中や電気をあまり通さない空気中では、遠くまで伝わって熱エネルギーを運びます。
波である放射の性質は、波長によって著しく異なります。
波長の短いものから長いものの順に、エックス線.紫外線、可視光線.赤外線などの名前がつけられています。
胃や胸部などを検査する際に用いられる。
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